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ヒビロテ!

「双生児」と「人間椅子」

豊島区の乱歩展連動企画として、今回も新文芸坐で開催されています、江戸川乱歩映画祭。

本日のプログラムは「双生児」「人間椅子」の2本。
片や塚本晋也、片や水谷俊之という個性派監督が、各々にかなり思いきった解釈を展開しているにも関わらず、図らずも両者間に多くの共通点が見出せた(原作が同じ人だから、という意味ではなく)ことが面白かったです。
以下、ネタバレも含むので御注意。 【“「双生児」と「人間椅子」”の続きを読む】

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

「スパイダーマン2」

公式サイトはこちら

息子が友達と約束して来たので、part.1も観てないのに行ってしまいました。
純然たるお付合いの一環であまり期待はしていなかったのですが、意外と(ごめんなさい)面白かったです。

既存のキャラクター/物語(アメコミ)ですし、公式サイトを覗いて頂けばある程度の内容は一目虜然ですので(携帯サイトのストーリーや人物紹介はかなりいい加減なんで要注意ですが 苦笑)今回は多少ネタバレ気味な雑感を。

ごく普通の人間が、それも秘密で正義の見方をやっていくのって、つくづく大変なことなんですね(笑)
プライベートのヘタレ具合が徹底していればいるほど、活躍時のカッコよさが必然的に目立つ・・・というのが一般的図式なのでしょうが、このヒトの場合は変身後にまでその影響が出てしまう所が微笑ましい。
しまいには助けるはずの街の皆さんに逆に助けられたり、素顔をみられてしまったりする始末です。

しかし何時の世でも、街には一筋の希望の光が、子供達にはヒーローが必要なのですよ。
そしてヒーローにとってもまた、そんな彼らの信頼が必要な訳で。
一度はその立場を放棄したピーターを、心の底からスパイダーマンたらしめたのは果して、自らの心から涌出づる正義感でもヒロインへの愛でもなく(断言 笑)、そんな名も知らぬ人々の温かさだったのです。


さて、ここからは映画オタク的余談。 【“「スパイダーマン2」”の続きを読む】

テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

「箪笥」

所謂ロードショー館ではなく、少人数収容のミニシアターでの上映でしたが(渋谷)、公開2日目ということもあってなかなかの盛況ぶり、整理券を配付しての入替制でした。

いくら何でもまだ早過ぎますので、ネタバレは極力避けて主観的感想だけを。
映像美を全面に出しているだけあって、確かに美しい映画でした。
オカルトというよりサスペンス色が強いでしょうか?
貞子っぽい(謎)シーンはあるものの、不意打ちで驚かせるというより「来るぞ来るぞ」と準備させる演出なので、恐怖映画を期待して行くと拍子抜けするかもしれません。

最後には明白な謎解きがあり、ある程度の事情は中盤からも判りますが、細かい部分は観る人によって違う解釈ができると思うし、個人的に最後まで残る疑問も一つだけあります。
観賞後のティータイムに作品の話題からずっと離れずにいることは滅多にないのですが、今回は「スイミングプール」以上に話題が尽きませんでした。

とにかく妹が可憐で、気丈な美しさの姉と好対照です。
で、要するに父親、あんたが一番悪いんだろと。
いかにも悪者らしく振るまいますが、壮絶な美貌の持ち主であるお義母さんが、ある意味一番不憫な気もします。
と、今はこの辺でやめておきましょうか(笑)

・・・実は娘も観たがっているんですよね。
一つ残っている謎もあることですし、本人さえ大丈夫なら、もう一度つきあってやってもいいのですが・・・
正直、どうしようか迷っています。
夜中に泣かれて困るのはこちらなのでねえ(苦笑)

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「ハリーポッター アズカバンの囚人」(吹替版)

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夏休みに行かれる方も多いと思うので、ネタバレしない程度に雑感だけを。
まあ、大きくなったわね~皆・・・まるでお正月に久々に会った親戚のオバチャンの心境。

ハーマイオニーが・・・ものすっごく漢前(オトコマエ)でした(笑)
虎の威を借るドラコをぶっ叩く場面、登場人物の誰よりも頼もしく思えたんですが。
パーじゃなくてグーですよ、グー。
古くは「キャンディ★キャンディ」のニール、今は「サヴァイヴ」のハワード(マニアック過ぎ)に至るまで、ドラコタイプのお坊っちゃんキャラクターは、この手の逞しい女の子に力一杯弱いですよね。

それにしても、故リチャード・ハリスの代役となったダンブルドア校長役のマイケル・ガンボン。
コスチュームの負う部分も大きいとはいえ、何の違和感もない演技は見事です。

最後に、ちょっと辛口の映画評がこちらにありましたので御紹介しておきます。

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「下妻物語」

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娘に乞われなかったら、決して自分では観に行かなかったと思うのですが。
久々のヒット、大収穫でした!こんなに心から楽しめた映画は久しぶりです。
邦画もまだまだイケルじゃないですか。ちょっと安心したりして。

掲示板でもこの作品には触れたので(7/5付)、ここでは詳しくは書かないことにしますが。
ベテラン映画監督に決して造り出し得ないであろう(中島哲也監督はCM畑の方) 新しい試みが幾重にも重なりあった独得の世界で、個性的な演技陣によってテンポよく繰り広げられていくストーリーだとだけ記しておきます。

ジャスコから苦情が来なかったのかと・・・それだけが心配ですけれど(笑)

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

「スイミング・プール」

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シャーロット・ランプリングとリュディヴィーヌ・サニエという、オゾン監督にとっての新旧ミューズの初競演ということで、本国では随分と話題になった作品でしたが、う~ん、日本ではどうだったんでしょうか。
上映館前のデパートにイメージディスプレイが出たり、TVに取上げられたりしていた割には、さして話題にもならずに終ってしまった気がします。

仏映画独得の(って英仏共同制作ですが) 不可思議なけだるさや煙に巻くようなストーリー展開は、日本人の好む曖昧さとはちょっと違うのかも知れませんね。
同行した4人それぞれのラスト解釈が、あるいは微妙に、あるいは根本的に違っていたりして、個人的にミステリー展開が好物な自分としては結構楽しめましたが。

ちょうど暑くなる直前の封切りだったので、直後の猛暑に突入してからだったらもう少し盛上がったのではないか、とも考えます。
元々(日本では)マニア向けな作品だとは思うものの、つくづくショービズの世界って難しいですね。

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「パッション」

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実は水曜日に観ていたのですが、ことこういう作品に関しては捉え方も人各々、それをわざわざ口に出すこともないんじゃないかという気がして、こちらに書くのは止めてしまおうかと思っていました。
しかし以前にも話題にした関係上、やはり多少は書き残しておくこととします。


確かに、衝撃的な作品ではありました。
何も知らずにでかけていったら、あるいは悪い意味での驚きと、嫌悪感とで一杯になってしまうかも知れません。
宗教云々は脇に置いておくとしても、聖書のエピソードはミステリーやファンタジー等、エンタメの題材として断片が取上げられることも多いですし(死海文書とか聖杯とかロンギヌスの槍とか)ある程度の知識を頭に入れていった方が、より楽しめることは確実だと思います。

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カラー・オブ・ハート

古きよき50年代アメリカの原風景の中、文字どおり絵に描いたような理想的家族を中心に繰り広げられるホームドラマ「プレザントヴィル」。
この番組の熱狂的ファンである17才の少年とその奔放な妹は、TVの修理に訪れた電器屋の悪戯で、ドラマの世界に入り込んでしまう。

一見穏やかで理想的な作り物の街に妹が「自分らしさ」を持ち込んだことから、次第にそのモノクロの平和世界に不均衡が生じ、ところどころに鮮明な「色」が現れ始める。
同時に自我に目覚めた人々と、変化を恐れる人々との間に対立が生じ・・・ま、結局、ハッピーエンドなんですけれど。

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テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

ラスト・サムライ

http://www.lastsamurai.jp/

時代考証とか階級考証とか、正直、問題点はまだまだあります。
曲がりなりにも近世外交史専攻だったので、どうしても色々と気になってしまうのですよね(--)

しかし舞台が開国後十年余を経過している時だと判った冒頭部分で、根本の疑問(軍事顧問として欧州人でなく、米国人が招聘されるという設定)が解決してくれたのでまずは助かりました。
国際的誤解からくる違和感を払拭しようという製作側の細やかな趣意工夫は、思っていた以上に成功していたと思います。

とにかく、それらを差し引いても十二分すぎるほど、素直に楽しめる作品でした。
まさに「娯楽大作」と呼ぶに相応しい。
徒に暴力的だったりエロティックだったりすることもなく、終始淡々と流れていくのに退屈はさせない。
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